感方恋薬-かんぽうこいやく-
「そぉ?」


そう言うと、則子は爺の居たあたりをきょろきょろと見て、何か納得できないと言う表情で、自分の席に戻って行った。


ここだけの話だが、これは緊急事態で有るのだろう。


もし爺が現れなければ、あたしは今頃、幸の恋の虜に成っていたかも知れないのだから。


でも、何故あたしで試すのだろうか。


他に検体は幾らでも居るだろうに。


他のクラスだが学校中で有名な美少女だって居るんだし、そんな子で試してみれば良いでは無いか。


なにも態々あたしなんかで試さなくてもさ。
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