感方恋薬-かんぽうこいやく-
カキンと刃が交錯し刃と刃のぶつかり合いによって火花が散る。


「やりますわね貴子さん、では、これならどうかしら?」


紀美代はあたしに向かって右手を翳すと、その先端から謎の光線が、あたしに向かって飛んできた。あたしはそれを、ひらりひらりとかわして紀美代への攻撃のチャンスを窺う。


「ええい、ちょこまかと逃げ回って、では、此れならどうですの?」


そう言うと紀美代は片手だけだった謎の光線攻撃を両手で始めた。あたしは流石に避け切
れずに、その光線を胸に受けてしまった。同時に火花がばちんと散る。


「きゃぁぁ!」
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