感方恋薬-かんぽうこいやく-
れっきとした地球人の女の子で、しかも日本人だ。何も動揺する事は無いだろうに。


「それとも男の子が良いのか?」


あたしは一応聞いて見た。


何しろ変わり者だからな。


しかし、あたしの期待とは裏腹に幸はぶんぶんと首を横に振った。


「…い…一応、女性の方が好みです」


「―――なんだつまらん」


あたしは、心の底で少し期待している自分に気が付いた。


「と、兎に角、今回は失敗の様ですので、又、作り直して出直します」


「ねぇ、幸…」


立ち去りかけた幸にあたしはぽつりと話し掛けた。


「あんた、暫く家に帰って無いんじゃない?」


「え、ええ、まぁ」


「あんまり根を詰めると体に毒だから今日は帰って少しは休みなさいよ」
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