感方恋薬-かんぽうこいやく-
何とも遣る瀬無い結果では無いか。勝つ者が居れば負ける者も居る。


それが平等という物かも知れないがこれは少し残酷では無いか。


と、思えるのも、勝者の余裕か…何か空しい…


         ★


あたしはその日、放課後まで特に何も行動を起こさなかった。


紀美代は休み時間毎に幸に声を掛け、お昼休みは手作りのお弁当を与え、放課後は、当番でも無いのに一緒に教室の掃除をしたり、あたしの眼から見ても甲斐甲斐しい事極まり無い。だが、勝負は勝負だ。
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