感方恋薬-かんぽうこいやく-

「この薬…どうやって使うの?」


「え?」


人間後ろめたい事をしようとすると卑屈に成る物だ。


「あ…あぁ、使い方ね。簡単よ香水とかコロンと同じ。手首とか耳の後ろとかに付けて意中の人の前を通り過ぎれば良いのよ。その人の事を思いながらね」


「ふーん。簡単そうな、難しそうな」


「なんで?難しくなんか無いでしょ?」


「だって付けるタイミングが難しそうじゃない?下手すると別な人が釣れそうじゃない?」


則子様…しごくごもっともな御指摘で御座います。


でもこれしか見つからなかったんだよ人体に無害と思われる方法が…さ。


なんならカマキリの黒焼きとかタツノオトシゴの黒焼きに挑戦してみるかい?やるならやってやろうじゃない。


あたしは何時でも挑戦を受けるぞ。
< 33 / 327 >

この作品をシェア

pagetop