感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしはシャボン玉の様に噴き出し、処構わず漂う則子のは~とを右手でしっしっと払いのけながら彼女に言った。
「じゃぁ、早く教室行こうか」
「えへへぇ。実は彼と待ち合わせしてるの。私はもう少し此処に居るから先に教室行ってて」
あたしは則子の顔をまじまじと見て纏わり付くは~とを制服から払い落してこの世の不条理を感じながら教室に向った。
さて、今日一日は、此処からが本当の地獄だった。
則子は休み時間毎に情熱的に日曜日の出来事をあたしに報告し、お昼休みにはついに、身振り手振りまで交えながら話し始めた。