感方恋薬-かんぽうこいやく-
「あ~何すんだぁ」


「じゃから、最初から遣り直しじゃて、よいか、良く見ておれ」


爺は材料を順番に並べると


「この順で、鍋に入れて具合を見ながら調合するんじゃ。最初は弱火でな」


「あ、う…うん」


あたしは爺の言う通り、材料を入れながら鍋の火加減も調整しながら薬をゆっくりと煮込んで行った。


台所にバニラビーンズやシナモンの香りが立ち込める。
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