平安物語=短編集=【完】



それからひと月経たないくらいのある日、式部卿宮様が出家を果たされました。

その内々でのお別れの場に父上も呼ばれましたようで、これで本当に、麗景殿様の後見を務める事になったのです。


「実は、式部卿宮様が出家なさる時、麗景殿様の事を頼まれてしまいました。
及ばずながら、そのお気持ちに沿えるよう努めようと思っています。
あなたも麗景殿様とお手紙のやり取りなどなさってはいかがですか。
どちらにも姫宮がいらっしゃることですし、親しくなさるのが良いと思いますよ。」

父上にそう促されて、恥ずかしいだの何だのと言い逃れをしておりましたが、口調は丁寧ながらも睨むような眼光でお勧めになるので渋々従うことにしました。



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