准教授 高野先生のこと

「先生」

「?」

「怒って、いませんか……?」

なんだかもう、泣き出してしまいそうだった。


「詩織さんは僕を怒らせるようなことを何かしましたか?」

瞬間――

私の視界が泪で歪んだ。


先生のことが好き。

もう、どうしようもないほど好き。


堪えきれず泪がほろほろ溢れ出た。

まるで抱えきれずこぼれ落ちる想いのように。


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