准教授 高野先生のこと
あぁ、ここで怯んだ先生にさらに攻め込み、止めを刺そうとしているんだ。
他人事のみたいに、自分の次の行動を予測する。
ところが――
先生が、ゆっくりと立ち止まる
「もし、差し支えなければ……」
私もちょっと遅れて立ち止まる。
おずおずと顔をあげると、先生がまっすぐ私を見つめていた。
「その人がどんな感じの人なのか、聞かせてもらってもいいでしょうか?」
ちょっと風向きが微妙に変わってきたようだ。