准教授 高野先生のこと

真中君は自販機に100円玉をボンボコ投入。

そして――

缶コーヒー、烏龍茶、オレンジジュース。

立て続けに3本ジュースを購入した。


「ハイ、これはシオリンの分」

「えっ」

真中君は烏龍茶の缶をひょいと私に差し出した。

「袖の下ですよ、お嬢さん」

わざとらしい下卑た声で、へっへと笑ってみせる真中君。


「シオリンからもよろしく言っておいてよ。高野サンに、さ」

袖の下は本当に袖の下のナントカの意味なのね……。


たぶん先生は真中君に“おいでなさい”と言うに違いない。

高野先生と真中君と私……3人の勉強会、か……。


今となっては勉強会で二人きりになれなくたっていくらでも……。

だけど……。

そうなると今度はまた新たに別の不安が浮上する。


高野先生と私の関係。


勘の鋭い真中君はやっぱり気づいてしまうのだろうか……?



< 194 / 462 >

この作品をシェア

pagetop