准教授 高野先生のこと
真中君は自販機に100円玉をボンボコ投入。
そして――
缶コーヒー、烏龍茶、オレンジジュース。
立て続けに3本ジュースを購入した。
「ハイ、これはシオリンの分」
「えっ」
真中君は烏龍茶の缶をひょいと私に差し出した。
「袖の下ですよ、お嬢さん」
わざとらしい下卑た声で、へっへと笑ってみせる真中君。
「シオリンからもよろしく言っておいてよ。高野サンに、さ」
袖の下は本当に袖の下のナントカの意味なのね……。
たぶん先生は真中君に“おいでなさい”と言うに違いない。
高野先生と真中君と私……3人の勉強会、か……。
今となっては勉強会で二人きりになれなくたっていくらでも……。
だけど……。
そうなると今度はまた新たに別の不安が浮上する。
高野先生と私の関係。
勘の鋭い真中君はやっぱり気づいてしまうのだろうか……?