准教授 高野先生のこと

ご飯を食べ終わってお店を出たあたりから、私の緊張は徐々に高まっていった。


車に戻って開口一番、先生がどんな台詞をいうのか、ぐるんぐるん想像した。


正直、もう少し……もっと一緒に居たいなぁ、と思っていた。

それは、グタイ的に何をするとかしないとか、そういうのを抜きに。

ただ単純に離れがたくて、別れがたくて名残惜しくて、そんな気持ちで。


だいたい――

グタイ的なことなんて、とてもじゃないけど私には想像つかなかったし。


先生と気持ちを確かめ合えたという実感はあっても、その……。

なんというか、男の人とつきあっているという実感がまだよくわからなくて。



< 197 / 462 >

この作品をシェア

pagetop