准教授 高野先生のこと

先生との結婚について考えたことがないわけじゃない。

ずっと一緒にいられたら、ゆくゆく将来的には……。

そんな風には思っていた。

そうなれたらなって、もわわわわんと夢見てさえも。

けれども――

私が抱いていた結婚のイメージはどうやらちょっと非現実的だったのだ。

自分がはっきりと意志をかためたりしなくても、機が熟せば自然にそうなるような。

生成するものではなく発生するもの?そういうイメージで。


きっと私にとっての結婚は、“今”の積み重ねの結果としてあるものなのだ。

だから結婚ありきで“今”をどうこうするという発想があまりなかったのである。


しかしながら――

いざ現実によーく考えてみると、そうそう暢気にしてはいられない。

先生との結婚を前提とするのかしないのか。

就職するのかしないのか?

実家に帰るか帰らないのか?

仮に結婚するかどうかの決断はまだ先のことだとしても実際は――

それに関係する様々な決断を既に迫られている……そんな気がした。



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