准教授 高野先生のこと

私には秋ちゃんや真中君がいるように、高野先生には森岡先生がいる。

会ったことはないけれど、きっと田丸先生も同じように心強い味方なのだろう。


「さて、できましたっと!」

「えっ!?」

私がほわーんと話に聞き入っている間にも――

森岡先生は作業の手を休めることなく、さくさくてきぱき進めていたのだ。

「す、すみませんっ」

「いやいや、今までオレの代わりに色々よくやってもらってたからさ」

ほんのご恩返しデス、なんて言って先生は朗らかに笑った。

「あ、そうそう。今日は田丸も来るよ」

「ほんとですかぁ!」

「あのさ、友達としてフォローさせて欲しいんだけど……」

「はい?」

「田丸は軽薄な奴なんかじゃないんだよ。

もちろん、在学生との恋愛なんてオレは断じて認めないけどさ。

それでもまあ、ちょっと訳ありでね……。

卒業後すぐに入籍したのも事情があってのことだし。

オレが色々言っておいてなんだけど、変な先入観で見ないでやって欲しいんだ」

「わかりました。大丈夫、ぜんぜんです」

高野先生と森岡先生の同期の桜。

私は田丸先生に会うのが、とても楽しみになった。


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