准教授 高野先生のこと
「酔った勢いで何かしようとしてる……」
「酔ってないよ」
「酔っ払いに限って自分は酔ってないって言い張るんでしょ?」
「僕は酔ってないし、何もしないよ」
「何もしないって言う人に限って、絶対に何かするんでしょ?」
「そんなこと、誰に教わったの?」
「一般教養ですよ。でも……」
「でも?」
「今、身を持って学んでるような気がする」
「気のせいだよ」
「だって……」
「ん?」
「私、お仕置きされちゃうんでしょ?」
「あ、そうだった。うん、お仕置きする」
そう言うと、寛行さんは私の唇に軽くキスして――
それから、鼻歌交じりでパジャマのボタンをはずしにかかった。
「眠かったんじゃないの?」
「詩織ちゃんは別腹だよ」
「お腹の問題なの?」
「だって、“喰らう”というじゃない?」
「卑猥だなぁ、先生が言うと」
「ハイ、100円」
「あーっ!」
「こんなときに先生なんて言わないの」
「倒錯した関係みたい?」
「もう、君は黙りなさい」
そうして私は強引に唇を塞がれて――
ゆるゆると優しくお仕置きなるものをされたのだった。