准教授 高野先生のこと
オムレツと同じくらいホットケーキを作るのもとっても上手な寛行さん。
見た目なんてまるでパッケージにある写真みたいな出来映えだし。
食べた感じもうちのお母さんが作るそれよりふっくらしていて美味しいし。
はむはむもそもそ食べながら、私の彼はまたまたとんでもないことをのたまった。
「おとといの夜にね、うちにトナカイが来たんだよ」
トナカイが……って、なーんじゃそりゃ!?
たぶん12月なんでクリスマスに関する話に違いはないのだけど。
彼の突飛な発言に少々困惑……。
しかしながら――
高野寛行の彼女たる者ここで取り乱すわけにゃあいかないのだ。
私はさも何でもないふうを装って彼にたずねた。
「ふーん、どんなご用事だったの?」
「うん。サンタのおつかいでよい子が欲しいものを聞いてまわってるんだって」
おいおいおい、最近のトナカイはそんな御用聞きみたいなこともするんかい!?
「僕、君が欲しいものを言付かってトナカイに伝えるって約束しちゃったんだよね」
「あー、そうなんだぁ」
まったく色々と突っ込みどころ満載で破綻しまくりの作り話。
寛行さんは時々こんな風に、文学やってるとは思えないことをやらかすのだ。