准教授 高野先生のこと

「で、君はサンタクロース氏に何をお願いするの?」

「じゃあ、フランスのお城に閉じ込められて心も体も調……」

「詩織ちゃん、大先生のご本のことは忘れなさいね」

「えーっ」

「“えーっ”じゃない」

サンタクロース氏というか、寛行氏にお願いって言われても……。

とっても悩んで困ってしまう。

だって本当に何をもらっても嬉しいから。

高価なものなんて要らないし、コレ!といったものが思いつかないし。

強いて言えば一緒に過ごせたらってくらいだろうか。

けれども、それじゃあ彼はきっと納得しないに違いなく。

うーむ……。

何かこう気の利いたアイディアはないものかとしばし悩む。

そして――

考えあぐねた末に、ここぞとばかりに!というおねだりをひねり出した。

「ラブレターをもらってみたいです」

「ラブレター?」

「そうです、もらったことないから。

あ、サンタさんからのじゃないですよ。

私の好きな人が私のために心をこめて書いたものでなくっちゃ。

トナカイにそう伝えておいてください」

くどい……なんてまわりくどいんだろう……。

寛行さんと私ってやっぱりちょっと変わっていると思う。


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