准教授 高野先生のこと
後日、慌てん坊のサンタクロースとは歌の中だけなく実在する?ことを私は知った。
土曜日、そう、寛行さんが田丸先生の結婚式で札幌に発った日。
バイトから帰って郵便受けを見てみると一通の手紙が届いていた。
水色の洋形の封筒、青いインクで書かれたとても見慣れた几帳面な文字。
もちろん差出人は寛行さんだ。
裏面には、糊付けして封をしたうえに――
これは……封蝋がわりのつもり???
ギョロっとした黄色い目をした黒猫のシールが貼ってあった。
まったく……。
ラブレターなら真っ白い封筒に赤いハートのシールで封をして欲しいものだ。
そういう様式美というものを彼は意外と軽視しすぎじゃあないだろうか?
だいたい彼は、いつもいつもまたいつも、いつだって……。
あー、もうっ!!
堪らずに私は思わずその場でビリビリと封筒を破いて開けそうになった。
でも、どうにか思いとどまった。
バタバタと急いで階段をあがって、ドスドスドスと部屋に入る。
そして、ペン立てにささった鋏をシャキーンと手にとると――
なんとか気持ちを落ち着けて封筒の端っこを丁寧にそーっと切って封を開けた。