准教授 高野先生のこと
銀色に光るカットボールチェーン。
クロスには水色の石がいくつかついている。
「トナカイがね、君の誕生石の指輪はダメだって言うんだよ」
「トナカイが?」
「うん。そういうのは、おまえが自分で渡せよな、だって」
それはまた、なかなかおせっかいやきなトナカイである。
「この水色の石、何かわかる?」
「ええと……」
恥ずかしいことに、私はアクセサリに関してはまったく疎くて……。
水色なんて、アクアマリンか、それから他には……???
「ブルートパーズだよ」
「トパーズ?」
「そう。何月の誕生石か知ってる?」
「それって…」
知らなかったけど、ぜんぜん知らなかったけど……もちろん一瞬でわかった。
「なんか、ストーカーみたいだな、僕」
「えーっ!そんなことない!大事にするね、いつもつけるね、いつも一緒にいるね」
私がなんだか必死になって大事にする宣言?をすると、
寛行さんは、ちょっと照れたように嬉しそうに微笑んだ。