准教授 高野先生のこと
車に乗り込み、とりあえずまずはガソリンスタンドへ。
コーヒー屋さんを併設しているスタンドに、給油と昼食を兼ねて。
「車、かなり腹ベコだね」
「だね。長旅ってほどでもないけど、こいつも腹ごしらえさせておかないと」
長旅ってほどではないこの旅は、だけどちょっと特別な旅。
車も人もお腹がいっぱいになったら、いよいよ特別なドライブの始まりはじまり。
寛行さんは、既に登録済みの自分の実家を“目的地”に設定。
そして――
「ハイ、じゃあ、詩織ちゃんのご実家の住所をお願いします」
私の実家を“詩織実家”という名称で新たに登録、“立寄り地点”に設定した。
実は、私の郷里と寛行さんの郷里はお隣同士の県なのだ。
しかも!
お互いに割りと県境に近いところで、思いのほかご近所さんなのである。