パセリな彼女がついた嘘
「ご名答」

僕は笑いながらそう言い、平静を装っていたけれど、
彼女の部屋に着くなりリビングでキスをして、
そのまま二人でベッドに雪崩れ込んだ。

何度も何度もキスをしながら、
少し大袈裟に酔った振りをして聞いた。

「今日、一緒にいた人、誰?」

彼女は荒くなった息を整えるようにして、少しの沈黙の後、

「気になるの?」と言った。

自分で聞いておきながらその答えを知りたくないような、
臆病な僕がそこにいた。

僕はそのまま彼女の口を再度キスで塞いで、
強く彼女を抱いた。
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