パセリな彼女がついた嘘
パセリな彼女がついた嘘
思っていたよりも寒い、それが冬の沖縄の印象だった。

羽田空港は年末ならではの賑わいで、
チェックインカウンターでは30分近く行列に並んだ。

エグゼクティブクラスの客たちが並ばずに
専用カウンターでチェックインする姿に、お金の権力を思い知る。

その時初めて、客にくどかれる雪乃を想像して、
不安が募った。

けれど到着すれば、
東京の初春を思わせるやわらかい光と、
ひらがなであちこちに書かれる方言の看板に、
移動距離を実感して、
すぐさま僕の心はバカンス気分にシフトした。
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