僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅰ
繋ぐ、キズナ
◆Side:凪
「……どしたの、凪。変な顔して」
昼下がりの気怠い授業を受ける気になれず、空き教室でサボっていたあたしの隣に彗が腰かけた。
……今日の朝、聞いちゃったの。有須と祠稀の会話を。
「鬼のような形相だよ」
「彗くん!? 失礼だよね!?」
あたしを探しに来てくれたんじゃないのか!
「……眠い」
「うん、なんか、もういいや」
欠伸をする彗から窓の外へ視線を投げる。
めったに使用されない視聴覚室の、窓際の席。あたしは机の上に腰かけて、ぼんやりと曇り空を見上げていた。
「……眉間にシワ寄せて、老けるよ」
老けると言われたことよりも全て見透かされている感覚に、いっそう深く眉間にシワを刻ませた。
まあ……いつものことだけどさ。
「……ねぇ彗」
「んー?」
あたしの体に頭を預けて目を瞑る、かわいい可愛い彗。あたしを誰よりも理解してくれる人。