レインブルー
「なんだよ、アキラ」
「七瀬先生ってマジにインフルエンザか」
「…じゃねえの」
素っ気なく返ってきた返事に、俺は不満が募る。
「俺にはそうは思えねえんだよなあ。今までこんなことなかったじゃん。だから七瀬先生に何かあったんじゃねえかって俺、気が気じゃなくてさ」
生徒が心配するな、って藤木の野郎は子どもをあやすように俺の話聞いちゃくれねえし。
あの先公、七瀬先生の婚約者だからって調子乗ってやがる。
マジで気に喰わねえ。
「やっぱ七瀬先生誘拐されたんじゃねえか」
「またその話かよ」
黒井はうんざりした顔で眉をひそめた。
「まあまあ、話は最後まで聞けよ。もし仮に七瀬先生が誘拐されたとしたら、誰が犯人なのか一晩考えてみたんだけどさ」
「お前も暇だな」
「俺、犯人は藤木の野郎じゃねえかと思うんだよね」
「は、なんで」
「いやなんつーの刑事の勘よ、勘」
「親父が刑事なだけだろ」
「とにかく七瀬先生に何かあったことは間違いねえ。刑事の血を受け継ぐ俺としてはそれだけは誓って断言できる」