吸血鬼の花嫁
腕の中のレイシャがぴくりと動いた。
そして、ゆっくりと緑色の瞳を開ける。
「おねえ…ちゃん?」
「レイシャ…!大丈夫、痛いとこない?」
「私は、なにを…。この人たちはだれ…?」
夢を見ているようなとろんとした目でレイシャは辺りを見回した。
その顔がすぐに恐怖で染まる。
「そうだ、吸血鬼がっ!お姉ちゃん早くここから逃げて!」
レイシャが慌てて私の体を掴んだ。
「落ち着いてレイシャ。もう大丈夫だから」
「…お姉ちゃんが助けてくれたの?」
私が頷くとレイシャは安心したように微笑んだ。
「お前たちとこの娘は私が村まで連れていこう、自分で歩けるな?」
「なんとか…」
吸血鬼の問いかけにレイシャがこくんと頷いた
血を吸われていないもう一人の少女を吸血鬼が抱えている。
私はレイシャに肩を貸しながら、先に歩き出した吸血鬼の後を追った。