吸血鬼の花嫁
新しいお茶を飲みながら、私はルーを伺う。
「一つ、聞いてもいい?」
「答えらるれことならな」
「あなたとあの吸血鬼はどういう関係なの?」
私に教えてもいいことなのかどうか分からなかったので、駄目元で尋ねた。
ルーは突然、きょろきょろと辺りを見回して、何かを確認する。
「…いないようだな」
それから、わざとらしく咳ばらいをした。
「本当は主従。もちろんあっちが主人」
警戒するようにルーは小声になる。
「だから、ご主人様とか呼んだ方がいいんだろうけど…俺はあいつとは、もっと友人よりな関係でいたいんだ」
内緒だけどなと照れたように言った。
私は言わないことを約束する。
吸血鬼とルーの間には、私の知らない深い絆があるのだ。
話を聞いているだけでも、ルーは吸血鬼を一番に考えていることがわかる。
「もしかして、だから『吸血鬼』って呼んでるの?」
けして、敬っているわけではない主従にしては妙な呼び方。
「ま、そんなとこ。あいつを名前で呼ぶと色々厄介なことになるからなぁ」
「面倒なのね」
「ああ、面倒なんだ。力があるってことはさ。いろんなものが邪魔をする」
「友人になるのも?」
「お、よく分かってるな!」
ルーは私に向かって指をぱちりと軽快に鳴らした。