【完】約束=願い事
「わたしその人に騙されてたんだ…」
わたしは、【わたしの好きな人】の話を、
照を見て話し始めた。
ショックから立ち直ったかどうかは見た感じ分からないけど、
わたしの話をちゃんと聞こうとしてくれる。
しっかり目を見返して。
「不思議な男の子だったの。
夜抜け出そうとしてたら見つかったんだ。
今まで誰にも深く関わり合いたくないって思ってたのに、変な約束をして毎日会うことになったわ。
彼は記憶喪失でね、わたしの話をたくさん聞きたがったんだ。
毎日会う時間がすごく楽しくて、こんな風に思う気持ちがあるなんて驚いたの。
透明な笑顔が好きで、低めの声も、ちょっと意地悪なところも、特別優しいところも…。
夜9時からの1時間は毎日不思議な世界に行ったみたいだった」
「…………」
「わたしの誕生日の前の日には、白いカードをくれたの。
次の日に、彼は本当はわたしが知ってる彼じゃないって分かった。
その次の日に、崇佑から話を聞いたわ。
白いカードには、
『忘れてほしい』って書いてあった。
彼とわたしの思い出を…」
涙腺がすでに緩んでいるわたしは、
もう少しで泣き出しそうな程緊張していた。