その日、僕は神になった
照りつける夏の日差しが、コンクリートから立ち上る熱気が、草木を揺らす生温い風が、五月蠅いだけの蝉の鳴き声が、普段ならば疎ましいだけのそれらが、なぜか今日に限っては心地よく、俺は何年ぶりかに夏を感じた。こんな風に彼女と二人きりで話すことが出来るなんて、そしてそれは今日限りのことではない、毎週月曜日、この時間にこのコンビニに来ればまた彼女と会うことが、話すことが出来るのだ。そこには客と店員という垣根があったとしても、俺はそこまで欲張るような男ではない。
こんな奇跡にも似た偶然が、俺の心に、今までとは一味違ったサマーバケーションが始まるのでは…、そんな淡い妄想を抱かせずにはいられなかった。
高三の夏休みというものは何と素晴らしいのだ。毎年見るだけで気が滅入いる山のような宿題も、受験勉強や就職活動に明け暮れる学生のために一つもない。どちらも関係のない俺は、ただひたすら自由に生きた。これで彼女の存在がなければ、俺はとっくに自室に根をはやしていたことだろう。
こんな奇跡にも似た偶然が、俺の心に、今までとは一味違ったサマーバケーションが始まるのでは…、そんな淡い妄想を抱かせずにはいられなかった。
高三の夏休みというものは何と素晴らしいのだ。毎年見るだけで気が滅入いる山のような宿題も、受験勉強や就職活動に明け暮れる学生のために一つもない。どちらも関係のない俺は、ただひたすら自由に生きた。これで彼女の存在がなければ、俺はとっくに自室に根をはやしていたことだろう。