その日、僕は神になった
 一週間という月日を待てず、俺は毎日のようにコンビニに通った。片道五分の道のりを、鼻歌まじりで往復する毎日。二週間後には、俺は彼女のタイムスケジュールを全て把握していた。そんなことをしていたら、彼女に勘付かれるのでは?その心配はない。彼女が店にいる時でも、それを外から確かめるだけで、店内に足を伸ばすのは二回に一回に踏み止めていた。俺はバカでも、そこまでアホではない。そりゃ店に入って、少しでも、一言でも二言でも言葉を交わしたかったさ。それが事務的な内容であっても。だがそんなことをされる彼女の気持ちにもなってみろ、溜まったものじゃないだろ?
 彼女がそこにいるのに店に入れない辛さより、その姿を一目でも確かめることが出来なかった日の方が、よっぽど辛かった。この暑さの中、汗まみれでここまで歩いてきた苦労が、全て水の泡と化すのだ。俺はその場にへこたれて、アスファルトの上に突っ伏したくなる衝動を抑え、塩をかけられたナメクジのように、今にも溶けそうになりながら道路の上を張った。
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