その日、僕は神になった
 葬儀会場には沢山の人が押し寄せていた。両親を始め、一度か二度しかあったことのないような親族、学校関係者に、一度も話したこともないような、小中高のクラスメイト。生前、友人知人といった関係に恵まれなかった真だが、その不幸を聞き、みながその最後を見送りに来たのだ。だがそれは、彼がみなから愛されていたからではない。その容赦ない事実だけが、いちるの虚しさを誘った。だが彼らはみな、その最後の勇姿を称え、ある者は彼に償いの気持ちを込め、またある者は果てしない後悔の念を込め、彼の冥福を祈った。
 会場内には静かに啜り泣く声も聞こえてきた。だがそれは、彼のために流された涙なのだろうか?まがいなりにも、同じ学び舎で過ごした同級を失ったという思いから、流された涙ではないのだろうか?なぜ僕はそんな意地の悪い疑問を抱いたのか、それはその涙を流している少女達が、生前真と一言も言葉を交わしたことのないような子たちだったからだ。

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