♂性別転換♀

少年の右手から空気の塊が飛び出し、また俺の身体は宙を舞った。


あっという間に形勢逆転。


倒れる俺を見下ろし、少年は黒い笑みを浮かべながら「説明するから聞いててね」と柔らかく言う。


身体を起こす。


よーし、そこまで言うなら説明してもらおうじゃねえか。


満足いく説明じゃなかったら、アヒルが孵化する寸前の卵を食ってもらうぜ。


「それでは、一通り説明しまーす」


コホンと咳払いすると、少年は説明をしだした。


「まず最初に、僕の名前は大翔(ひろと)小学校四年生ね。もうわかってると思うけど、僕は魔法使いです。すごいでしょ?」


なんとなくそうだと思ったが、こうあっさり言われると信ぴょう性に欠ける。


だけど信じるしかないだろう。


現に俺は、こうして女の子になっているわけだし。
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