感方恋薬-知られざる月の館-
「期限は3日、それまでにわたくしの処まで提出しなさい。質問は?」


「…いえ、ございません」


「そう、では宗一郎、参りましょう」


生徒会長は軽く会釈すると、あたしの前から立ち去った。


一陣の風が、ひょうと吹き抜ける。


ナゼか根無し草なんかも転がって行ったりしてね(どこだ、ここは?)


「やぁ、おはようございます、貴子さん」


春の陽だまりみたいなのほほんとした声が聞こえた。


同時にあたしはそちらに向かって振り返る。


その視線の先には、思った通り幸が居た。


「あ、あのな、幸、今、大変な事を言われたんだぞ!」
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