感方恋薬-知られざる月の館-
「で、どうするの?」


あたしは爺にそう尋ねると、爺はぴたりと歩きまわるのをやめて、あたしに向かって視線をよこした。


「ん?どうする、どうするとは、何の事じゃ?」


爺はあっけらかんと、あたしに軽ーく返事を返してよこした。


「だって、ばれたんだよ、あんたの事」


あたしは少し身を乗り出して、今、ちょっと問題な状況に陥っている事を伝えたくて爺の顔をじっと見詰めた。
< 45 / 219 >

この作品をシェア

pagetop