感方恋薬-知られざる月の館-
真顔の幸はあたしの両手を取ると


「貴子さん、今後も実験に協力して下さいますね」


そう言いながらあたしの両手を握ってぶんぶんと、振り回す。


「ことわる」


あたしは、これ以上、幸に爺や若様の秘密を知られるのはまずいと判断して、きっぱりと幸の申し出を断った。


「そうですか、協力して頂けますか、流石、貴子さんです、今後も宜しくお願いします」


だから、幸、断わってるんだってば。


幸は機嫌良く実験に使った機材をてきぱきと撤収すると。


「じゃ、そう言う事で」


と、言い残すと紀美代と二人で教室を後にした。
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