破   壊
 酷かったね。

 見てらんなかったよ。

 でも、目を逸らす事が出来なかった。

 その子の白い肌が草の合間から覗く度に、興奮していたんだ。

 腹立つ事に、僕の下半身迄反応しちゃってさ……

 すごく自己嫌悪に陥った。

 自分は、もっと崇高で、清いものと思っていたんだ。

 勿論、性には興味を持ち始めてはいたさ。

 けれど、一般的なその行為を僕は認めていなかった。

 今では少し考え方も変わって来てるけど、それでも、肉体の欲望を満足させる行為より、精神的な充足感の方を、僕は尊ぶね。

 その頃の僕は、そういった考えが、もっとはっきりしてたんだろな。

 暫くして、二人はそれぞれの方向に帰り始めた。

 僕は無意識のうちに彼女の後を追った。

 尾行のセンスはこの頃からあったのかもね。

 これも一種の才能かな。

 彼女の家に近付くに従い、僕の心の中に、はっきりとした感情が生まれたんだ。

 殺意かって?

 違う、違う。さっきも話したけれど、この時の殺人は、計画性もへったくれも無いもんだったって言ったでしょ。

 湧いて来た感情は、殺意じゃなくて、愛情だったのさ。

 そんな感情が生まれた事に、自分でも驚いたけど、直ぐに納得したね。

 だって、僕は彼女を小学生の時から知ってたんだから。

 きっと身近過ぎて気付かなかったのかも知れない。





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