俺様の飼い猫。
楽しい時間はあっとゆう間で、気がつけばバイトの時間になっていた。

「じゃあね、頼香、葵。」
「またね、日奈ちゃん。」
「明日学校でね。」

一足早く頼香の家を出て、バイト先のバーに向かう。
1ヶ月前に始めたばかりのお店《anjue》。
店長も、他の従業員の人もみんな優しくて、素敵な人ばっかで、バイトして楽しいなんて思ったの初めて。

「おはようございま~す。」
「おはよう、日奈子ちゃん。」
「おはよう。」

裏口から入ると、みんなが出迎えてくれる。
このお店は、深夜営業だから、出勤する時はおはようが決まり。
控室で自分のロッカーから制服を出して着替える。
黒で統一された制服は、グレーのワイシャツに、黒のベストに黒のキュロットスカートに、黒のストッキング。
正直、この制服が可愛くてここに決めたっていうのもあるんだけどね。

「よし!」

短大に入って染めたミルクティベージュの髪を軽く巻いて、左側にゆるくまとめる。

一歩店に出れば、そこはあたしの普段いない世界。
綺麗な大人の女の人、かっこいい大人の男の人。
本当にあたしが普段関わらないような人たちばかり。
グラスを綺麗に拭きながら店内を見回していると急に肩をたたかれた。

「ひゃっ、景司さん。」
「おはよう、日奈。」

店長の黒河景司さん。短い金髪に、左耳のピアス。ちょっとチャラく見えるけど、落ち着いた大人の男の人ってかんじ。
左手の薬指にシルバーリングをしているから、たぶん結婚してるか、恋人がいるんだろうな。


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