引き金引いてサヨウナラ
美菜が手伝ったおかげで、比較的早く出来上がり、いつもより少しだけ前倒しの時間が夕飯になった。
相変わらず黙々と食べる達也だったが、美菜はなぜかそれに安心した。
「そう言えば、今日どうだったの?弘くん」
心配そうにきく柚江に、美菜は弘の容態を話した。
その言葉に柚江は嘆息し、「大変ね」と呟く。
その様子に、美菜はコクリと頷いた。
ふと、晴香はどうするんだろう?という思考が美菜の頭をよぎる。
同時に、もし叶が同じ立場になったら、私はどうするんだろう?とも思う。
美菜が黙り込むと、カチャカチャという食器の触れ合う音だけが、食卓に響いた。