引き金引いてサヨウナラ
食事を終え、達也はソファーにどっかと身を沈めるように座り、リモコンをテレビに向けた。
柚江は流しに食器を片付けている。
変わらず今日もニュースをつけている達也に、美菜は後ろからそっと近づいた。
気配に気付いたのか、達也は少しだけ首を回し、美菜に向かって言った。
「何か見るのか?」
そう言った達也に、美菜は小さく首を振り、ためらいながらも、ぽん、と達也の両肩に手を乗せた。
「肩、もんであげる」
カチャカチャと食器を洗う音が、ほんの一瞬だけ止む。
「そうか」
達也の声が少し低く部屋に響いた。