引き金引いてサヨウナラ


穏やかな時間が過ぎる。

達也は美菜に礼を言うと、美菜はちょっと肩をすくめた。


「美菜、お風呂沸いてるわよ」


柚江の声に「はぁい」と返事をして、美菜はお風呂へと向かった。


ソファーに座る達也を見たときに、肩でももんであげようなんて気分になった自分に少し驚きながらも、なんとなく悪い気はしなかった。


父親のあとにお風呂に入ることなんかには、まだ抵抗があるけれど。


それでも少しだけ態度が変わったのは、

叶の強い意志を目の当たりにし、

柚江から父親の話をきいたからかもしれない。


きっと、両方があったから。

どちらか片方では、恐らくこんな風にはならなかったと思う。


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