切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「ボロアパートだけど我慢しろよ」
まさか日向がうちに来るとは…
って自分で誘ったんだけど。
「あ!そう言えば親は?!」
この角を曲がればアパートが見える、ってときに日向はそう言って立ち止まった。
でも俺は止まらず言う。
「いねぇーよ。
今、仕事中だから」
そう言うと慌てて日向は俺のあとを追った。
「あそこの2階」
築何十年のボロアパート。
こんなところに住みたくはないが母子家庭だ。
我慢するしかない。
「どうぞ」
部屋の前に着き、ドアを開けて先に日向を入れる。
「中は意外にキレイだね」
確かに引っ越す前に内装だけはしたからな。
「座って待ってて。
今作るから」
日向は部屋を見回しながら曖昧にうん、と頷いた。