焦れ恋オフィス
「…は?」

俺にきつい視線を送りながら、ゆっくりと投げ掛ける高橋専務の言葉を理解するのに、しばらくかかった。

「芽依のお腹の子…」

「…どうなんだ?」

俺以上に緊張しているように、膝の上に組んだ両手を震わせて…聞かれる…。

「…俺の子…。そうです。俺…いや…私の子です」

身をのりだして叫ぶに近い声で答えた俺は、体中が震えてくるほど嬉しさが溢れて溢れて。
座っているのが苦痛に思えるくらいに興奮していた。

俺と芽依の子…。

欲しかった芽依との幸せな未来に近付いた気がする。

単に一緒にいるだけじゃなく、芽依のこれからの時間と愛を全て手に入れたいと…。

はっきり気付くのにかなり無駄な時間を過ごしていたけれど、もう嘘も遠慮も全部…捨ててやる。

< 154 / 312 >

この作品をシェア

pagetop