焦れ恋オフィス

「……診察はまだなの?」

「うん。次に呼ばれるはずなんだけど」

真里さんと二人で待ち合いの椅子に座って名前が呼ばれるのを待っていた。

先週、診察を受けて、妊娠が確定した後、妊婦さんなら誰もが受けるいくつかの検査を受けた。

今日は、その結果を聞きに来たけれど、とりたてて体調も悪くないし、特に心配はないと思うのに。

心配性の兄さんのせいで、真里さんが付添として送り込まれた。

ただでさえ、結婚もしていない私の妊娠に驚き戸惑った兄さんだから、この展開は予想していたけれど、真里さんだって忙しいのに申し訳ない。

私は大丈夫なのに。

先週は、妊娠したかもしれないと、不安を抱えながら受診したけれど、もし妊娠していたら絶対に産むと最初から決めていた。

『予定日はクリスマス頃ですね』

お医者様からそう告げられた時には。

それまで巣食っていた不安はなくなって、ただただ嬉しかった。

私のお腹にいる赤ちゃん。

大切な人……夏基の赤ちゃん。

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