焦れ恋オフィス
二人は安心したように席についた。

言葉を交わすわけではないのに、二人を取り囲む空気感が愛し合ってるって教えてくれるようで、何だか切なくなった。

私と夏基の間には…まだ越えていない壁があるから…。

今頃、仙台で何してるんだろ。

だめだめ。
せっかくのお祝いの席だから、気分落としてる場合じゃないし…。

テーブルに並ぶ料理を食べようかなあと箸を手にした途端。

向かいに座る美乃ちゃんの大きな声に驚いて手が止まってしまった。

「その指輪!」

「…え?」

美乃ちゃんは、私の左手薬指に光る指輪を凝視しながら叫んでいた…。
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