焦れ恋オフィス
「……そうですか。わかりました。わざわざありがとうございました」
低く、少し落ち込んでいるような声に気付いて夏基を見ると。
夏基は口元を歪め、目を閉じてじっと電話からの声に耳を傾けていた。
不快な事でも聞かされて考えこんでいるのか、眉間にしわが刻まれている。
どこか苦しげで、見ているだけの私でさえ息苦しさも感じてしまうほど。
「……え?相模さんがですか?」
うってかわってたちまち笑顔が浮かんだ夏基に驚いて目が離せずにいると。
「わかりました。会社に行けばいいんですね。はい、ありがとうございます」
いくつか言葉を交わしたあと、電話を切って大きく息を吐く夏基。
その変わりように訳が分からなくなって、首を傾げながら問いかけた。
「何?仕事?」
ふと声をかけると、夏基はどこか気まずそうに視線を合わせて
「悪い。今から会社行くわ」