月と太陽Ⅱ
第十四夜、もれる光
「魔法には2つの種類があります。あなた方が使っている通常の魔法、『白魔法』と呼ばれるものと、決して使ってはならない『黒魔法』が」
「聞いたことがあるわ、でもそれは単なる噂じゃなかったの?」
フェリアが真剣な眼差しでイヴを見つめた。
一方エセルはそんな魔法の存在を全く知らなかった。
白魔法は魔法を習う上で一番最初の段階で教えられるため、魔導士はみんな知っている。
「ええ。でもその噂を知っている方自体もごく少数でしょう。
白魔法は多くの人々に知られています。
しかし黒魔法の存在をきちんと理解し、わかっているのは王家の貴族だけです。
なぜならそれはあまりにも危険で恐ろしい魔法だからです」
イヴがしわを寄せながら厳しい顔つきで言った。
「どんな魔法なんですか?」
レオルが聞く。