月と太陽Ⅱ

第十四夜、もれる光




「魔法には2つの種類があります。あなた方が使っている通常の魔法、『白魔法』と呼ばれるものと、決して使ってはならない『黒魔法』が」


「聞いたことがあるわ、でもそれは単なる噂じゃなかったの?」


フェリアが真剣な眼差しでイヴを見つめた。


一方エセルはそんな魔法の存在を全く知らなかった。


白魔法は魔法を習う上で一番最初の段階で教えられるため、魔導士はみんな知っている。


「ええ。でもその噂を知っている方自体もごく少数でしょう。

白魔法は多くの人々に知られています。

しかし黒魔法の存在をきちんと理解し、わかっているのは王家の貴族だけです。

なぜならそれはあまりにも危険で恐ろしい魔法だからです」


イヴがしわを寄せながら厳しい顔つきで言った。


「どんな魔法なんですか?」


レオルが聞く。
< 142 / 172 >

この作品をシェア

pagetop