ユピテルの神話
誰が、悪いのですか?
ロマ…?
――…いいえ。
彼は花たちの想いを汲み取って、エマの元を訪れ、花たちが咲いたのだと伝えたかっただけ。
優しい彼の想いを、
花たちの謙虚な心を、
理解出来なかったのは村人たちの方です。
では、村人が悪い?
――いいえ。
彼らは自分たちが助かろうと、床に伏せた者を助けようと一生懸命だったのです。
状況が状況だけに、冷静さを無くしてしまっただけ。
強引ではありましたが、僕からの「薬」だと誤解した花を求めただけ。
この結果を招いたのは?
悪いのは誰か…
悪イノハ、
――…僕ダ。
全て、僕なのです。
僕が逃げていたせいなのです。
「…御免なさい。御免なさい、ロマ…。御免なさい…花たちも…」
『…何で、ユラ…泣く…。何で、ユラ、謝る…?』
ロマの血が、
僕の腕を雨と流れます。
僕が受けるべき、傷。
「…痛い…でしょう…」
『…俺、平…気…。痛くない…。花たちは可哀想。ユラが泣く…心、痛い。俺も…涙でる…』
ロマを抱き締めたまま、
涙を流したまま、
僕は必死に周囲の様子を見回しました。
この悲劇が生んだ結果を、目の当たりにしなければならなかったのです。