ユピテルの神話
――村人が元気を取り戻したよ。あの高熱から、今日も二人が目覚めたよ。―――
――村の修復が順調に進んでいるよ。森の木々も喜んでその身を差し出しているよ。―――
僕とロマは今日も森の主の根元で、風たちからの情報を耳にしていました。
村は徐々に活気を取り戻し、村の修復は森の木々の命に助けられながら日々進んでいきます。
高熱で眠り続けていた村人たちも、日を追うごとに次々と目を覚ましていました。
それはエマも同様でした。
ザワ…
『…おや。ユラ、エマが来たようじゃよ。』
静かに目を閉じ、風たちの声に集中していた僕に森の主が優しく声を掛けました。
その声に周囲を見回すと、変わらず白い杖をついたエマが僕を探していました。
「…ユラ~?ユラ、居るんでしょ?どこ?」
「…エマ!こっちですよ!」
僕たちは「仲直り」をしました。
以前までの関係に、
「友達」に戻れたのです。
「…ロマちゃんは?ロマちゃんもそこに居る?」
――ワン!
僕の傍らでロマも元気良く、嬉しそうに声をあげます。
エマは、にこやかに微笑みながら僕たちの声へと近付いてきました。