嘘と嘘で始まる
それからどれだけ抱き合ってキスして見つめあったのか。
相変わらず私を離そうとしない慎也の気持ちがどうであっても、既に私の慎也に隠していた気持ちを知られた今、もう抑える事はできなくて。
私のほうが、慎也にしがみついて、キスをしていた。

彼女に対しての罪悪感を、止まらない涙で流しながら…。

「…泣くな。大丈夫だから」

唇に落とされたその言葉は理解不能で、たとえ今だけでもいいから私の事だけを考えて欲しくて…
更にきつく抱き締めた。

「実菜?」

「…ん?」

「そろそろ部屋入っていい?」

耳元でささやかれた言葉の裏には、これから始まる二人の夜が、どうなるのかが隠されている…。
慎也のキスから逃れて見つめると、切ない表情で見つめ返す綺麗な顔があった。

「実菜…。先に抱かせて。話は後にして?」

思いっきりぎゅっと抱き締めて、そう言う慎也に流されそうになる…。好きだから…。
抱いて欲しい。

でも…。

「無理…だよ。やっぱり彼女に悪い…。慎也にも、後悔して欲しくない…」
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