嘘と嘘で始まる
…夢なのかな?

慎也の胸に収まって、心臓の音を聞いてるのって…夢?

いつも軽く香る香水の匂いをこんな間近で感じるなんて…夢?

そんな事が頭の中をぐるぐる回っている。

「夢みたいだな。こうしてこのへやで実菜を抱き締められるのって」

「夢…なの?」

「違う!」

慎也の腕に力が入って少し痛い…。

「夢じゃないんだ」

「夢になんてするかよ。元彼に会ってからずっと実菜の事欲しかったってのに」

「…どういう事…?ちっともわからないよ。私にわかるようにちゃんと説明して。そうじゃなきゃ、彼女いてる慎也の事、もっと好きになる…」

「泣くな。大丈夫だから。ちゃんと話す。」

慎也は私の頬を伝う涙を手で拭うと、

「まず、寝室に行きたいんだ」
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