嘘と嘘で始まる
「なっ!バカあ!それしか考えてないのー?」

「いや、それも考えてるよ、いっぱいな。
でも、その前にする話は、寝室のほうが都合いいんだ」

「なんで!?」

「なんでも!ほら、行くぞ」

先に立ち上がって手を差し出す慎也を見上げる私は…。
かなり混乱していて、立とうとしても足に力が入らない。

「どうしよう、腰が抜けたみたい」

涙目のまま言う私に軽く笑うと、慎也はあっという間に私を抱き上げて、寝室へと歩き出す。
落ちないように慌てて慎也の首に手を回すと、思いのほか顔が接近してしまう。

「じっとしてろ」

慎也の肩に頭をちょこんとのせて、寝室までのほんの少しの幸せを大事にかみしめた。
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